あんず(アプリコット、杏子、杏、唐桃)は栄養素や成分を幅広く持ち多くの効果や効能を持つ果実で、ウメやスモモの近縁種であり形状や食感なども非常によく似ている。
杏飴やあんず油、干し杏、杏露酒、ジャム、杏仁豆腐、栄養ドリンク、アマレットなど多くの加工品や生食で利用されており、品種によっては酸味の強い品種、甘味の強い品種と幅広い種類のあんずがあります。
これら栄養価の高いあんずに含まれる様々な栄養素のそれぞれの効能や効果をまとめて行きたいと思いますので確認して行きましょう。
あんずとは?原産地と品種、あんずは世界各地で栽培されている
あんずはヒマラヤ西部からフェルガナ盆地付近を原産とする果実で、カラモモ(唐桃)と呼ばれ中国北部でも東洋系のあんず種の栽培が行われていたと言われている。近い種類である梅との交配なども行われ幅広い品種、東洋種では平和、新潟大実、信州大実、広島大実、山形3号、八助、鏡台丸、信月、信山丸、さつき、昭和などの品種があり、一方西洋種ではハーコット、ゴールドコット、プリンなどがあんずの品種になっている。
日本国内ではあんずの旬は一般的に6月下旬から7月頃であり、全国各地で幅広い品種の栽培が行われ、上記で挙げた杏飴やあんず油、干し杏、杏露酒、ジャム、杏仁豆腐、栄養ドリンク、アマレットなど様々な加工品に使われて口にする機会も多くなっている。
これらあんずには高い栄養価と幅広い栄養素を持つ特徴があり、様々な効能や効果がありますのでそれらを確認して行きたいと思います。
あんずの栄養素と効果、効能
あんずにはりんごやミカンにも見られる果実類に多い幅広い栄養素を含んでいる特徴を持ちます。その中でもあんずの中で途出している栄養素はビタミンEとビタミンAであり、どちらも抗酸化作用を持つ事で知られるビタミン類です。
他にもカリウム、食物繊維、パントテン酸、銅、マンガン、モリブデン、ビタミンB6、ビタミンCなどを含み、アミノ酸も幅広く含まれる特徴があんずにはあります。
あんずを食べる事でこれらの栄養素を摂取する事が可能となりますが、それぞれの栄養素にはどのような効果や効能があるのでしょうか?
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まずはあんずのカロリー量と果実の水分含有量は?
あんずはその90%近くが水分であり豊富な水分量を持つと言えますし、貴重な水分源として古くから重宝して来たので有ろう事が伺えます。またあんずはカロリー量も低く100gあたりで36kcalと低カロリーの果実と言えるでしょう。
水分量が多いので栄養価はそれ程ではありませんが幅広いビタミン、ミネラル類、アミノ酸類を含んでいる所が特徴的なあんずでもあります。
食品別カロリー量(100g辺り、kcal) 食品別の栄養素含有量一覧 | ||
パセリ 44kcal | にら 21kcal | 長芋 65kcal |
グリーンピース 93kcal | 水菜 22kcal | 蜂蜜 294kcal |
桃 39kcal | キャベツ 22kcal | アスパラガス 23kcal |
みかん 44kcal | 玉ねぎ 37kcal | アボカド 187kcal |
豆腐 55.9kcal | トマト 18.9kcal | こんにゃく 6.9kcal |
あんずに含まれるビタミンEの効果、効能とは?
ビタミンEは抗酸化作用を持つビタミンとして老化防止や美肌、体の酸化防止効果を持ちます。これらの働きは特に女性には重要とされ、シミやシワ、たるみなど年々悩ましくなる症状でもあるこれらの予防や対策に有効な効能を多く持ちます。
人の体は活性酸素によって悪影響を受け、結果細胞の酸化などが進みシミやしわの原因となりますので、抗酸化作用を持つ栄養素を日々の食事でしっかりと摂取する事が重要です。
特にビタミンEは多くの抗酸化作用を持つ栄養素の中でも、中心的な役割を果たす栄養素ですので摂取を心がけましょう。
あんず以外のビタミンEを多く含む食品や食べ物はこちらです。
- アーモンド
- モロヘイヤ
- うなぎの蒲焼
同じく抗酸化作用を持つビタミンAも多い
あんずにはビタミンEとビタミンAが比較的多く含まれます。両者とも抗酸化作用を持つ特徴は同じですが、あんずのビタミンAはβカロテンによる所が多くあります。
このβカロテンはビタミンAの前駆体であり体内の必要量や状況によってビタミンAへと変換される特徴を持ちます。その為βカロテンを摂取しておくと十分にビタミンAが必要量に満たされ効能や効果がしっかりと得られる上、過剰なβカロテンは排泄されてしまう為特に問題を起こす事はないと言われています。
各栄養素には過剰摂取してしまうと体に異変を来すものもありますので注意が必要ですが、このβカロテンは特に心配がいらないのが良い点です。
ビタミンAには成長促進や免疫力の向上効果もありますので健康管理にも重要な役割を果たします。
あんずにはカリウムも含まれる!むくみ対策や体内の塩分調整効果が
あんずには100g辺り200mg程のカリウムを含んでおり、このカリウム量は一日のカリウム必要量、摂取基準からするとやや少ない量ではあります。
10歳前後 | 20歳前後 | 70歳前後 | |
男性 | 1900mg | 2500mg | 2500mg |
女性 | 1800mg | 2000mg | 2000mg |
しかし、デザートやおやつとして食す事の多いあんずですので、カリウムを摂取して効能であるむくみの予防や高血圧の予防、体内の余分な塩分の排泄につなげる事は大切です。
果実類にはカリウムを豊富に含む物も多いので、水分補給と合わせてこれらの栄養素の摂取に活用しましょう。
あんずの食物繊維は不溶性がやや多い!便秘の改善に活かそう
あんずには水溶性と不溶性食物繊維が含まれますが、0.6gと1.0gと少量でもあります。
食物繊維の摂取基準。
20歳前後 | 70歳前後 | |
男性 | 12.5g | 17.3g |
女性 | 11.5g | 15.5g |
基準量には満たないので食物繊維に期待される効果である便秘の改善効果や整腸作用等はそれ程期待できませんが、幅広い食材から食物繊維をはじめ幅広い栄養素を摂取する事も大切ですので、あんずからもしっかりと摂取しておきましょう。
パントテン酸は糖質や脂質の代謝を向上させる
100g辺り0.3mgと微量ではありますがあんずにはパントテン酸も含まれています。このパントテン酸には脂質や糖質の代謝を促進させる効能があり神経伝達などにも関わっています。
因みにパントテン酸の一日当たりの必要量、摂取基準は5mg~6mgですのであんずのみでの摂取量達成は難しいですが、こうした効能をもつ栄養素を含んでいる果実でありあんずでもあります。
あんずには他にも幅広い栄養素が含まれる
ここからはパントテン酸以上に摂取基準に対して摂取割合の低い栄養素になりますが、銅、マンガン、モリブデン、ビタミンB6、ビタミンCなども含まれます。
幅広い栄養バランスは健康管理や美容にとってもとても重要ですので、果実の摂取は最適だとも言えますね。
まとめ
あんずはそのほとんどが水分ではありますがビタミンEとビタミンAの含有量が高い果実です。リンゴやミカン、ブドウ等よりも食す機会は少ない印象がありますが、あんずの旬の時期である6月~7月頃には是非とも食してその味わいを楽しみましょう。