いちじく(無花果、映日果)は栄養素をバランスよく含み効能や効果も幅広い果実で、その80%以上が水分の瑞々しい特徴を持ちます。
生のいちじくも乾燥、ドライいちじく共にパンやケーキなどのスイーツやビスケットなどのお菓子類、ジャム、コンポート、スープやソースなど幅広いレシピや用途で利用される人気の果実で独特の甘みを持ちます。
水分量が多い為に栄養素の含有量は低いもののその中でもモリブデンや葉酸の含有量が高く、これらの効能で健康や美容、妊婦の栄養補給へと役立つ果実でもあります。
そんないちじくにはどのような栄養素が含まれ、どのような効能や効果があるのでしょうか?確認して行きたいと思います。
いちじく(無花果、映日果)とは?
いちじくは不老長寿の果物とも呼ばれるアラビア南部原産の果実であり、日本国内では古くは蓬莱柿(ほうらいし)、南蛮柿(なんばんがき)、唐柿(とうがき)などと呼ばれ親しまれてきた果実でもあります。
これらは外来種、異国の果物といった意味合いも込められており、メソポタミアでは6千年以上前に既にいちじくが食され栽培されていたとされており歴史を感じる果実でもあります。
水分量が豊富なので当時の貴重な水分源としていちじくが重宝された事は想像がつきますが、その甘味を感じる味わいも人気であった事でしょう。
実や葉を乾燥させた物を無花果(ムカカ)、無花果葉(ムカカヨウ)と呼ばれる生薬として整腸作用や駆虫薬としても利用されている。
いちじくの栄養素と効能と効果
いちじくにはモリブデンや葉酸をはじめ様々な栄養素が幅広く含まれていますが果実でもありますので水分量が多く、その8割近くが水分の為栄養価はそれ程高くはありません。
しかしいちじくが含むモリブデン、葉酸、食物繊維、銅、カリウム、ビタミンB6、ビタミンE、マグネシウム、パントテン酸、カルシウム、リンゴ酸、クエン酸などの幅広い栄養素はバランスも良く様々な効能や効果に繋がり、それら栄養素の効能を確認して行きたいと思います。
いちじくのカロリー量と水分量
いちじくは100g辺りのカロリー量が54kcalで水分量は上記で挙げたとおり80%以上と非常に瑞々しい果実です。
比較的低カロリーの果実とも言えますし、タンパク質分解酵素であるフィシンやアミラーゼ、リパーゼなどの酵素も含まれておりアスパラギン酸やロイシン、リシンなどのアミノ酸も含まれています。
いちじくのモリブデン含有率が高い!その効能と効果とは?
モリブデンはミネラル類の一種であり体内のプリン体を尿酸に変化させる働きを持ち、体内では腎臓や肝臓で酵素の構成成分となる特徴を持っています。
このプリン体はビール、紹興酒、レバー、白子、エビ、イワシなどに多く含まれておりうまみ成分などに含まれる事も多いので美味しい食べ物にプリン体が多く含まれている事が多くあります。
プリン体の過剰摂取を原因として痛風などになる事もありますので、処理した尿酸は速やかに排泄させる必要性が高まりますのでモリブデンの働きが重要になってきます。
いちじくに含まれる葉酸は妊娠初期に重要な栄養素
葉酸はビタミン類の一種で造血作用や貧血の予防効果を持ちますが、妊娠時の妊婦さんには必須とも言える重要な栄養素でもあります。
それは妊婦のお腹の中にいる胎児の発育に重要な役割を果たすからであり、特に妊娠初期に葉酸の適切な摂取量を摂取しないと胎児の発育への悪影響、無脳症や先天性異常などに繋がると言われています。
また妊娠時はつわりの酷さや体が受け付けないなどの食事や食べ物への影響も出ますので、そうした際に果実は重宝しますし葉酸の摂取源としていちじくもチェックしておきましょう。
いちじくの葉酸含有量は100g辺りで22ugと高くはありませんが、水分補給や他の栄養バランスを考えるとおすすめ出来る果実でしょう。
葉酸の基準摂取量
10歳前後 | 20歳前後 | 70歳前後 | |
男性 | 180ug | 240ug | 240ug |
女性 | 180ug | 240ug | 240ug |
いちじくで換算すると一日の葉酸必要量はいちじく1kg分程が必要になってきますので、他の葉酸を豊富に含む食べ物や食品と合わせると良いでしょう。
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いちじくは食物繊維も豊富!水溶性不溶性共に含まれる
いちじくに含まれる食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方で、不溶性食物繊維の方がやや含有量が高くなっています。
一日の必要量には遠く及ばない含有量ですが、便秘の改善や腸内環境を整える等の効果を持ちますので、美容や健康、ダイエットなどの際にも果実は最適ですし、いちじくも最適だと言えるでしょう。
銅は鉄分の働きを助け活性酸素を撃退する
銅はミネラル類の一種であり体内では鉄分の働きを助ける効能を持ち、ビタミンEやC、Aなどと同様に活性酸素を消去する効果を持ちます。鉄の吸収や貯蔵に欠かせないのが銅であり不足すると貧血や神経に異常が起こる場合がありますので注意が必要です。
銅を多く含む食品。
- 牛レバー
- ホタルイカ
- そら豆
いちじくにはカリウムが含まれる!過剰塩分の排出やむくみの予防に効果的
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カリウムは様々な食材や食べ物に含まれる栄養素でありミネラル類でもあります。このカリウムには体内の過剰塩分を体外に排出する効能があり、高血圧の予防に効果的なミネラル類です。
いちじくに含まれるカリウムはイモ類や野菜類などにも豊富に含まれており煮汁やスープに溶け出す性質を持っていますので、摂取の際は汁ごとの摂取が効率的にカリウムを摂取するポイントの一つです。
様々な食材や食べ物をバランスよく食べる事で特に意識しなくても適量のカリウムを摂取する事は出来ますが、塩分の高い食生活が習慣的になっている場合には意識的に摂取するようにしましょう。
- 里芋
- バナナ
- ほうれん草
いちじくには他にも様々な栄養素が含まれる
いちじくは水分量が多い果実ですので栄養素の含有量はそれ程多くはありませんが、幅広い栄養素がビタミン類、ミネラル類、酵素等が含まれています。
こうした栄養バランスの豊富な果実は多くありますが、いちじくもそれらの果実同様に様々な栄養素の摂取に最適で、多くの効能が期待されます。
ビタミンB6、ビタミンE、マグネシウム、パントテン酸、カルシウム、リンゴ酸、クエン酸、ペクチン、酵素であるフィシン、アミラーゼ、リパーゼ、パーオキシダーゼ、オキシダーゼなど含まれる栄養素、成分は様々です。
まとめ
いちじくはリンゴやミカン、梨やブドウ等と比較するとあまりメジャーなイメージはありませんが誰もが聞いた事があるほどの知名度は持っています。
是非食べる機会がある際やどのような味かが気になる場合にはいちじくを食してみる事をお勧めします。
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