にんにくは疲労回復効果や滋養強壮などの効能があることで人気で、レシピもラーメンのトッピングやにんにくの芽の炒め物、醤油に漬けてにんにく醤油にして調味料としたり油に漬け込んでにんにくの風味をつけた油も人気のレシピです。
さらに独特の香りをもつにんにくには食欲促進効果もありますし、にんにく卵黄などの健康食品、にんにく注射などの健康によいとされるサービスなども存在しています。

これらの効果をうむのがにんにくに含まれているさまざまな栄養素の効果と、にんにくの特徴とも言えるアリシンなどの成分の働きによる所が多いですが、これらにんにくに含まれている栄養素の効能と効果を確認していきましょう。
にんにく(りん茎、生)の栄養素の含有量の一覧
にんにく(りん茎、生)にはビタミンB6、モリブデン、葉酸、食物繊維、カリウム、銅、リン、ビタミンB1、パントテン酸、ビタミンCが含まれますが、ビタミンB6はビタミンB12と共に赤血球のヘモグロビンの合成に役立つビタミンで、疲れをとる効能や成長を促進する効果がはあります。
また、モリブデンは鉄の利用を高めて貧血予防につながるミネラルで、プリン体の分解にもかかわりますし、肝臓、腎臓、副腎に多くて吸収率がとても高く尿中によって排出され体内濃度は一定に保たれていますし、葉酸は妊婦にとって非常に重要なビタミンですが、過剰摂取での過剰症はじんましん、過敏症、亜鉛の吸収阻害などの症状がでるとも言われますので注意が必要です。
カリウムは高血圧の予防やむくみの症状改善に効果的で塩分排出効果があり余分なナトリウムの排出に役立つなど、こうした働きをもつそれぞれの栄養素の含有量を確認しておきましょう。
食品番号 | 06223 |
ジャンル | にんにく |
食品名 | りん茎 生 |
廃棄率 | 8 % |
エネルギー | |
kcal | 134 kcal |
kJ | 561 kJ |
水分 | 65.1 g |
たんぱく質 | 6.0 g |
アミノ酸組成によるたんぱく質 | 3.7 g |
脂質 | 1.3 g |
トリアシルグリセロール当量 | 0.7 g |
炭水化物 | 26.3 g |
灰分 | 1.3 g |
無機質 | |
ナトリウム | 9 mg |
カリウム | 530 mg |
カルシウム | 14 mg |
マグネシウム | 25 mg |
リン | 150 mg |
鉄 | 0.8 mg |
亜鉛 | 0.7 mg |
銅 | 0.18 mg |
マンガン | 0.27 mg |
ヨウ素 | 0 μg |
セレン | 1 μg |
クロム | 0 μg |
モリブデン | 15 μg |
ビタミン | |
A レチノール | 0 μg |
A α-カロテン | 0 μg |
A β-カロテン | 0 μg |
A β-クリプトキサンチン | 0 μg |
A β-カロテン当量 | 0 μg |
A レチノール当量 | 0 μg |
D | 0 μg |
E α-トコフェノール | 0.5 mg |
E β-トコフェノール | 0 mg |
E γ-トコフェノール | 0 mg |
E δ-トコフェノール | 0 mg |
K | 0 μg |
B1 | 0.19 mg |
B2 | 0.07 mg |
ナイアシン | 0.7 mg |
B6 | 1.50 mg |
B12 | 0 μg |
葉酸 | 92 μg |
パントテン酸 | 0.55 mg |
ビオチン | 1.9 μg |
C | 10 mg |
脂肪酸 | |
飽和脂肪酸 | 0.18 g |
一価不飽和脂肪酸 | 0.04 g |
多価不飽和脂肪酸 | 0.41 g |
コレステロール | 0 mg |
食物繊維 | |
水溶性 | 3.7 g |
不溶性 | 2.0 g |
総量 | 5.7 g |
食塩相当量 | 0 g |
食品標準成分表 栄養素別、食品含有量 | |
アミノ酸含有量 食事摂取基準量 | |
文部科学省、科学技術・学術審議会資源調査分科会 日本食品標準成分表2010のデータより抜粋 出典URL : http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/houkoku/1298713.htm |
にんにく(りん茎、生)の栄養素で摂取基準量に対して高い含有量のもの
※ 30~49歳の女性の目安量、推奨量を元に含有量の割合を出しています。
※ ビタミン類、ミネラル類のみの含有量から比率の高い栄養素をまとめています。
1位 | ビタミンB6 |
2位 | モリブデン |
3位 | 葉酸 |
4位 | 食物繊維 |
5位 | カリウム |
6位 | 銅 |
7位 | リン |
8位 | ビタミンB1 |
9位 | パントテン酸 |
10位 | ビタミンC |
ビタミンB6はたんぱく質を分解やアミノ酸の代謝に効能をもつ
ビタミンB6は水溶性のビタミンでアミノ酸の代謝に関わる効能を持ち、ビタミンB6の作用をもつとされるのがピリドキシン、ビリドキサール、ピリドキサミンなどの化合物です。
ビタミンB12と共に赤血球のヘモグロビンの合成に役立ち、鶏ささ身、牛レバー、ラム肉、マグロ(赤見)、さんま、にんにく、さけ、さば、アボカド、バナナなどの食べ物に多く含まれていますので、これらの食品を日々摂取することで簡単に取ることができる栄養素です。
また、ビタミンB6はタンパク質の分解に関わる働きを持ちますので、たんぱく質を多く摂取することで必要量が高まるので摂取バランスに注意が必要ですし、ビタミンB群の一つとして脂質とたんぱく質からエネルギーを作り出す働きをもちます。
腸内細菌によって体内で合成されるので不足することはあまりありませんが基本的には食品からの摂取が望ましく、欠乏症はあまりないといわれますがアミノ酸代謝異常、食欲不振などの症状がでるとも言われますので注意しましょう。
にんにくにはビタミンB6の含有割合が比較的高いのでこうした効果が期待できる食べ物ですし、にんにくにあう食品にはアミノ酸が豊富な食材も多いので組み合わせ的にも相性が良いとも言えるでしょう。
モリブデンはプリン体の分解や貧血の予防に効果的なビタミン
モリブデンは老廃物でもあるプリン体を尿酸へと分解する働きをもち、鉄の利用を高める性質を持ちますので貧血の予防などにも良い効果をもつビタミンです。
体内に約9mgほど存在し、肝臓、腎臓、副腎に多い微量ミネラルのひとつで、食品などでの摂取後はすみかやに尿中に排出されるので体内濃度はほぼ一定に保たれ、不足すると貧血などの症状につながるとされています。
モリブデンは鉄の利用を高め貧血の予防につながる働きがありますが、同じく貧血対策に効果的な栄養素にはビタミンB12などのビタミン類や鉄、マグネシウム、コバルトなどの栄養素も関与しますので、これらの栄養素を幅広く摂取するように心がけましょう。
にんにくには葉酸なども含まれますので貧血対策にも効果的ですし、血行促進効果などで疲労回復につながる働きが際立つ食べ物のひとつです。
葉酸は妊娠前、妊娠中から授乳期に重要なビタミン
葉酸は産後、授乳中は非常に重要とされる栄養素で、胎児の発育に大きくかかわりますのでこの時期の葉酸の摂取は適切に行なう必要性があります。
先に挙げた貧血対策に効果的名ビタミンのビタミンB12とこの葉酸には造血作用がありますので両者ともに貧血予防に効果的で、女性の多くが悩む貧血の予防によいですし妊娠中の酷い貧血などにも良い栄養素です。
葉酸は特に妊娠中期に必要な栄養素とも言われ、他にもビタミンC、鉄分、カルシウムなど幅広い栄養素が必要となりますので妊娠中の栄養素の摂取、食べ物の選択は非常に重要になります。
葉酸は赤血球を生成したり、代謝をよくしたりするのに必要で妊娠1か月から3か月までの間が赤ちゃんの基礎的な体作りには重要な時期ですし、この時期に葉酸が不足することで胎児の発育に大きくかかわりますのでしっかりと葉酸の摂取を行いましょう。
にんにくは刺激が強いので妊娠中などの食べすぎはよくありませんが、適度な摂取では問題ないですので食欲促進や疲労回復などの効果のためにも良い食品ですが、葉酸は鶏レバー、モロヘイヤ、菜の花、ブロッコリー、枝豆、ほうれん草などにも多く含まれています。
カリウムは利尿作用があり余分な塩分を体外へと排出
カリウムは利尿作用が高いのでむくみの症状改善や二日酔いの解消に効果的ながタラ奇をもつミネラルで、日頃の食生活の中に上手に取り入れることで塩分の取り過ぎに対すつ対策になる成分です。
塩分の取りすぎは高血圧などの症状につながりますし、高血圧は他の病気へともつながりますのでないがしろにできない症状ですので、これらの症状に良い働きをもつカリウム多く含む食べ物の里芋、じゃがいも、ほうれん草、たけのこ、バナナ、納豆、グレープフルーツ、春菊、にら、ブロッコリー、絹ごし豆腐などを食べる習慣を持ちましょう。
また、調味料の定番の醤油や味噌なども塩分濃度が高いですが、味噌汁の具などにカリウムを含む食材を使うことでも良い組み合わせですし、適切な塩分摂取は健康面でも重要ですので、余分な分を排出してくれるカリウムを活用しましょう。
銅は鉄の働きの補助、赤血球や白血球に関わる
銅は骨髄でヘモグロビンを作る際に欠かせないミネラルで、銅含有酵素として幅広い効能があり赤血球や白血球の成長にもかかわりますし乳児の成長には特に重要な栄養素です。
鉄の働きを補助し活性酸素の除去する働きや赤血球に関わりますし、乳児の成長、骨や血管の強化に効果を持ち貧血予防、免疫力向上、動脈硬化の予防、成長促進、髪や肌の健康を保つ効果をもちます。
にんにくにはこれらの効果によい栄養素が他にも含まれていますので相乗効果が期待されますし、銅を多く含む牛、豚、鶏レバー、イイダコ、シャコ、牡蠣、かに、海老、いか、アーモンドなどの食べ物でのレシピも多いので活用するにもいいでしょう。
銅は骨、血管の成長を助けるミネラルですので、子供の成長にもいいですし、血管を強化するとともににんにくの血流改善効果などで健康促進、疲労回復につなげましょう。
リンは歯や骨を作るミネラルで取り過ぎに注意が必要
リンはDNAやRNAの構成物質で歯や骨を作る働きをもつミネラルですので、カルシウムなどと合わせて摂取することで効果を高めることにつながります。
しかし、リンは取りすぎるとカルシウムの吸収悪化や骨からのカルシウムの溶け出しが起こり、骨粗鬆症などの症状につながりますので過剰な摂取でバランスが崩れないように注意が必要です。
特にリン酸塩を多く含むインスタント食品に注意が必要で、こうした便利な食品ばかりの食生活にかたよってしまうことで骨密度の低下につながりやすいですし、摂取したカルシウムの効果がえられない状況に陥ります。
リンの代謝には活性型ビタミンDがかかわりますしビタミンDはカルシウムとリンの吸着を高めて骨を強化する栄養素でもありますので、リンと合わせてビタミンDもしっかりと摂取しましょう。
ビタミンB1も滋養強壮、疲労回復が期待できる
ビタミンB1は玉ねぎやにんにく、ニラ、長ネギなどに含まれるアリシンと共に摂取すると吸収率が高まりますので、より効果を高めるにはこれらの食品との摂取が望ましく貧血予防や滋養強壮、疲労回復などに効果を持ちます。
ビタミンB1は水に溶けやすい水溶性のビタミンですので煮汁なども摂取すると効率的の摂取でき、にんにくに含まれるアリシンと結合しアリチアミンとなり疲労回復作用が長持ちするようになりますし、にんにくとこのビタミンB1を多く含む食品の組み合わせのレシピが疲労回復には理想的です。
ビタミンB1は干しそば、豚ヒレ肉、豚ロース、ささみ、うなぎの蒲焼、そば、オクラ、にんにく、ぶり、まぐろなどの食べ物に多く含まれており、にんにくとも相性がよいので疲れを感じた際には合わせて摂取するように心がけましょう。
パントテン酸は糖質や脂質の代謝に関わる
パントテン酸はビタミンB5というビタミンB群の1つで、パントイン酸とβ-アラニンという物質の結合体で糖質や脂質の代謝に関わりますのでダイエット効果が期待できるビタミンです。
鶏レバー、うなぎの蒲焼、アボカド、納豆、イクラ、たらこ、子持ちカレイ、レバー、鶏肉、アボカド、カリフラワー、モロヘイヤ、卵などの幅広い食べ物に含まれており、体内のパントテン酸は、カフェインやアルコールをとることによって消費されてしまいますのでこれらの飲料を控え多く含む食品を摂取するといいでしょう。
また、パントテン酸はニキビ、肌荒れ対策としても有効で補酵素のコエンザイムA(CoA)の材料ともなるビタミンで、副腎皮質ホルモンの生成をうながし、ストレスに対する抵抗力を向上させる働きを持ち、腸内細菌からも合成され免疫力を向上させる働きももちます。
ビタミンCは強い抗酸化作用で美容や老化防止に効果をもつ
ビタミンCはカルシウムの吸収を助け、骨粗鬆症の予防に役立ち、強い抗酸化作用で活性酸素による細胞の酸化を防ぎ老化防止や美容効果をもつ栄養素です。
同じく抗酸化作用をもつビタミンA、C、Eは合わせて取ることでより強い抗酸化作用を発揮しますので、これらのビタミンを含む食品は合わせて摂取するのがおすすめですし、ビタミンCはねぎ、あさつき、みょうが、大根、さつまいも、アセロラ、赤ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリー、パセリ、枝豆、つるむらさき、レンコンなどに多く含まれる栄養素です。
ビタミンCが不足すると壊血病、血管がもろくなる、疲労感、関節痛などの症状がでるとも言われますし、美容面での美肌、免疫力の低下などにもつながりますので適切に摂取したいところで、ビタミンCは鉄の吸収を助けますので貧血の予防にも良い働きをもちます。
また、ビタミンCは造血作用を促す葉酸の働きを助ける効果もありますし、ビタミンB6はビタミンCやビタミンEなどと共に髪を美しく保ち美肌効果をもつ栄養素など、他の栄養素との相乗効果も期待できるのがビタミンCの特徴で美容や健康に欠かせないので日々の摂取が大切です。
にんにく(りん茎、生)には他の栄養素も豊富に含まれる
にんにく(りん茎、生)にはこれらの栄養素以外にもビタミンB6、モリブデン、葉酸、食物繊維、カリウム、銅、リン、ビタミンB1、パントテン酸、ビタミンCなどの栄養素が幅広く含まれますので、日頃の栄養バランスに役立てましょう。