七分つき米(水稲穀粒)は精米されて玄米から精白米になる状態によって七分づき米、五分づき米(半つき米)、三分づきなどに分けられ分づき米とも呼ばれています。
この分づき米は精米されるごとにたんぱく質、脂質、灰分の含有量は減少し糠に含まれる炭水化物以外の豊富なビタミンやミネラルを含みますが、半つき米に比較すると七分づき米は若干リンの含有量が多く、ビタミンB1やパントテン酸なども多く含まれています。
そんな七分つき米(水稲穀粒)の栄養素一覧とそれぞれの含有量や栄養素の効果や効能を確認し、日々の健康管理や栄養バランスに役立てましょう。
七分つき米(水稲穀粒)にはモリブデン、マンガン、銅、リン、ビタミンB1、パントテン酸、亜鉛、ビタミンB6、マグネシウム、ナイアシンなどの栄養素の含有量が摂取基準量に対して高い割合で含まれます。
モリブデンは半つき米にも多く含まれる栄養素で、プリン体を尿酸に分解する働きをもちモリブデン不足の症状はほぼ無いとされますが、頭痛、夜盲症、貧血などにつながることもあるとされていますし、病気などで不足した場合は多呼吸、意識障害、頭痛、夜盲症、貧血などの症状がでるとも言われます。
マンガンも半つき米にも多い栄養素で不足すると成長阻害、骨格の発育不全、糖質脂質の代謝異常、血液凝固たんぱく質の異常などの症状がでるとも言われますので注意が必要ですが、糖質や脂質の代謝に関わる効能をもち、ダイエットにつながる働きも期待されます。
このように各栄養素ごとにそれぞれの効能がありますが、これらの働きをもつ栄養素を含む七分つき米(水稲穀粒)の効果や効能、栄養素の含有量と効果効能を確認して行きましょう。
七分つき米(水稲穀粒)の栄養素の含有量の一覧
七分つき米(水稲穀粒)にはモリブデン、マンガン、銅、リン、ビタミンB1、パントテン酸、亜鉛、ビタミンB6、マグネシウム、ナイアシンが含まれますが、三分づき米よりもリン、ビタミンB1、パントテン酸などの含有量が高く、精米の過程で減少していません。
モリブデンは肝臓、腎臓、副腎に多いミネラルで吸収率がとても高く、尿中に排出され体内濃度は一定に保たれていますが、不足すると貧血などの症状を引き起こすことがあるので注意が必要です。
マンガンは吸収後は肝臓に送られさまざまな酵素の補酵素として働き骨の成長にも関わりますし、抗酸化作用があり細胞の酸化を予防し美容効果などが期待されますし、銅は、銅含有酵素として幅広い効能をもち、赤血球や白血球の成長にかかわります
ビタミンDはカリウムやリンの吸収をサポートし骨の形成や強化に効果を持ちますし、リンはDNAやRNAの構成物質として重要な役割をもつなど、こうした働きをもつそれぞれの栄養素の含有量を確認しておきましょう。
食品番号 | 01082 |
ジャンル | こめ 水稲穀粒 |
食品名 | 七分つき米 |
廃棄率 | 0 % |
エネルギー | |
kcal | 357 kcal |
kJ | 1494 kJ |
水分 | 15.5 g |
たんぱく質 | 6.3 g |
アミノ酸組成によるたんぱく質 | 0 g |
脂質 | 1.5 g |
トリアシルグリセロール当量 | 1.4 g |
炭水化物 | 76.1 g |
灰分 | 0.6 g |
無機質 | |
ナトリウム | 1 mg |
カリウム | 120 mg |
カルシウム | 6 mg |
マグネシウム | 45 mg |
リン | 180 mg |
鉄 | 1.3 mg |
亜鉛 | 1.5 mg |
銅 | 0.23 mg |
マンガン | 1.04 mg |
ヨウ素 | 0 μg |
セレン | 2 μg |
クロム | 0 μg |
モリブデン | 72 μg |
ビタミン | |
A レチノール | 0 μg |
A α-カロテン | 0 μg |
A β-カロテン | 0 μg |
A β-クリプトキサンチン | 0 μg |
A β-カロテン当量 | 0 μg |
A レチノール当量 | 0 μg |
D | 0 μg |
E α-トコフェノール | 0.4 mg |
E β-トコフェノール | 0 mg |
E γ-トコフェノール | 0 mg |
E δ-トコフェノール | 0 mg |
K | 0 μg |
B1 | 0.24 mg |
B2 | 0.03 mg |
ナイアシン | 1.7 mg |
B6 | 0.20 mg |
B12 | 0 μg |
葉酸 | 15 μg |
パントテン酸 | 0.83 mg |
ビオチン | 2.9 μg |
C | 0 mg |
脂肪酸 | |
飽和脂肪酸 | 0.48 g |
一価不飽和脂肪酸 | 0.35 g |
多価不飽和脂肪酸 | 0.52 g |
コレステロール | 0 mg |
食物繊維 | |
水溶性 | 0.2 g |
不溶性 | 0.7 g |
総量 | 0.9 g |
食塩相当量 | 0 g |
食品標準成分表 栄養素別、食品含有量 | |
アミノ酸含有量 食事摂取基準量 | |
文部科学省、科学技術・学術審議会資源調査分科会 日本食品標準成分表2010のデータより抜粋 出典URL : http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/houkoku/1298713.htm |
七分つき米(水稲穀粒)の栄養素で摂取基準量に対して高い含有量のもの
※ 30~49歳の女性の目安量、推奨量を元に含有量の割合を出しています。
※ ビタミン類、ミネラル類のみの含有量から比率の高い栄養素をまとめています。
1位 | モリブデン |
2位 | マンガン |
3位 | 銅 |
4位 | リン |
5位 | ビタミンB1 |
6位 | パントテン酸 |
7位 | 亜鉛 |
8位 | ビタミンB6 |
9位 | マグネシウム |
10位 | ナイアシン |
モリブデンは鉄の利用を高め貧血の予防に効果的
モリブデンは幅広い代謝の過程に必要な酵素に関わり、補酵素の成分のひとつとしてさまざまな代謝にかかわり、赤血球などに結合し全身に運搬される栄養素です。
糖質や脂質の代謝を高める酵素の構成物質ですのでダイエット効果なども期待されますし、鉄の利用を高める性質を持つことから貧血対策としても鉄分とともに効果を発揮します。
食品中に含まれるモリブデンの量は微量であるために、含有量の分析は難しいとされますが、七分つき米(水稲穀粒)には多い比率で含有されており、米、そばなどの穀類や、大豆、えんどう豆などの大豆類や豆腐、納豆などの大豆製品、レバーや乳製品などに多く含まれるミネラルです。
貧血対策に効果的ですが葉酸、ビタミンB12などのビタミン類や鉄、マグネシウム、コバルト、モリブデンなどのミネラルも貧血に関与するとされていますので、これらの栄養素も摂取するといいでしょう。。
マンガンは酵素の働きの活性化に関わる
マンガンは肌のターンオーバーにもかかわりをもち美容面でも重要なミネラルで、酵素の働きの活性化に関わり骨の発育や代謝機能にも関わる幅広い働きを持ちます。
中でもマンガンは骨の発育促進に関わりますので成長期の子供には摂特に取させておきたいミネラルで、糖質や脂質の代謝に関わる効能をもち、ダイエットにつながる働きも期待されます。
マンガン不足では成長阻害、骨格の発育不全、糖質脂質の代謝異常、血液凝固たんぱく質の異常などの症状がでるとも言われますので注意が必要で、たんぱく質やDNAの合成に関わる酵素の補酵素となる、代謝機能にもかかる、抗酸化作用があり細胞の酸化を予防する働きがありますので、美容効果などが期待されます。
七分つき米(水稲穀粒)以外の食べ物ではアマランサス、イタヤ貝、ずいき、くり、油揚げ、あおのり、しょうが、たくあん漬け、干し柿などの食べ物にマンガンが多く含まれますので、これらの食べ物を幅広く食べるといいでしょう。
銅は活性酸素の消去や貧血対策に効果的
銅は活性酸素の消去する働きがあり、老化防止や細胞の酸化を防ぐ働きがあり美容や健康に役立つミネラルで、過酸化脂肪の増加を抑制する働きがあり、血液の流れにもかかわります。
銅含有酵素として幅広い効能をもち赤血球や白血球の成長にかかわり、鉄を血液中のトランスフェリンに受け渡す役割があり赤血球の成長や体内の酵素の働きに関わり、骨の形成を助けるミネラルです。
牛、豚、鶏レバー、イイダコ、シャコ、牡蠣、かに、海老、いか、アーモンドなど幅広く含まれていますし、銅を取りすぎたことによる過剰症はほぼなしとされ、摂取量が少ないと吸収率があがる、摂取量が多いと吸収率がさがるなどの調整が起きる特徴を持ちます。
逆に銅不足ではヘモグロビンをきちんと合成できずに、赤血球で酸素を運ぶ役割に悪影響が現われますので銅不足には注意しましょう。
七分つき米(水稲穀粒)には他の栄養素も豊富に含まれる
七分つき米(水稲穀粒)にはこれらの栄養素以外にもリン、ビタミンB1、パントテン酸、亜鉛、ビタミンB6、マグネシウム、ナイアシンなどの栄養素が幅広く含まれますので、日頃の栄養バランスに役立てましょう。