大麦、麦こがしは関西でははったい粉や炒り粉とも呼ばれますが栄養素の一覧とそれぞれの含有量や栄養素の効果や効能を確認し、日々の健康管理や栄養バランスに役立てましょう。
大麦、麦こがしには食物繊維、ナイアシン、マンガン、銅、亜鉛、マグネシウム、リン、鉄、カリウム、葉酸、などの栄養素の含有量が摂取基準量に対して高い割合で含まれます。
食物繊維には不溶性のものと水溶性の食物繊維があり、便秘の改善や腸内環境を整えるなどの働きがありますし、ナイアシンは必須アミノ酸のトリプトファンからも作られる水溶性ビタミンで、ペラグラの治療、口内炎、舌炎、皮膚炎、めまい、などの治療に使われる栄養素です。

マンガンはマンガン含有酵素のスーパーオキシドジスムターゼの成分として抗酸化作用を発揮し、吸収率が少ないものの必要量も少ないので不足の心配は少ないするミネラルで、銅は赤血球の成長や体内の酵素の働きに関わり骨の形成を助けるミネラルです。
銅のほとんどが小腸で吸収され、肝臓で貯蔵され、鉄の吸収を助ける働きを持ちますし、亜鉛は体内の幅広い臓器に存在し骨格筋などの筋肉、骨、皮膚などの部位、肝臓、脳、腎臓などの臓器に存在しますが、亜鉛は体内では合成できないので食べ物からの摂取が必要となるミネラルのひとつです。
これらの働きをもつ栄養素を含む大麦、麦こがしの効果や効能、栄養素の含有量と効果効能を確認して行きましょう。
大麦、麦こがしの栄養素の含有量の一覧
大麦、麦こがしには食物繊維、ナイアシン、マンガン、銅、亜鉛、マグネシウム、リン、鉄、カリウム、葉酸、が含まれますが、ナイアシンは発見当初はビタミンB3と呼ばれニコチン酸、ニコチンアミドとして存在しますが、ニコチンアミドからNDAが合成され、この補酵素は糖質、脂質、たんぱく質の代謝、エネルギー生産時に働きます。
マンガンは肝臓、腎臓、膵臓、髪の毛にも多く含まれるミネラルで、骨の発育や代謝機能に関わる働きを持ち、酵素の働きの活性化にも関わる働きを持ちますし、銅は肝臓で貯蔵され、乳児の成長や骨の強化に重要な役割をもつミネラルです。
亜鉛は糖代謝、アルコールの代謝など代謝に関わる働きをもち、100種類もの多くの酵素の働きに関与し、血中の老廃物の排出を促進する働きをもち血行促進効果などもあります。
こうした働きをもつそれぞれの栄養素の含有量を確認しておきましょう。
食品番号 | 01010 |
ジャンル | 大麦 |
食品名 | 麦こがし |
廃棄率 | 0 % |
エネルギー | |
kcal | 391 kcal |
kJ | 1636 kJ |
水分 | 3.5 g |
たんぱく質 | 12.5 g |
アミノ酸組成によるたんぱく質 | 0 g |
脂質 | 5.0 g |
トリアシルグリセロール当量 | 4.2 g |
炭水化物 | 77.1 g |
灰分 | 1.9 g |
無機質 | |
ナトリウム | 2 mg |
カリウム | 490 mg |
カルシウム | 43 mg |
マグネシウム | 130 mg |
リン | 340 mg |
鉄 | 3.1 mg |
亜鉛 | 3.8 mg |
銅 | 0.41 mg |
マンガン | 1.81 mg |
ヨウ素 | 0 μg |
セレン | 0 μg |
クロム | 0 μg |
モリブデン | 0 μg |
ビタミン | |
A レチノール | 0 μg |
A α-カロテン | 0 μg |
A β-カロテン | 0 μg |
A β-クリプトキサンチン | 0 μg |
A β-カロテン当量 | 0 μg |
A レチノール当量 | 0 μg |
D | 0 μg |
E α-トコフェノール | 0.5 mg |
E β-トコフェノール | 0.1 mg |
E γ-トコフェノール | 0.2 mg |
E δ-トコフェノール | 0 mg |
K | 0 μg |
B1 | 0.09 mg |
B2 | 0.10 mg |
ナイアシン | 7.6 mg |
B6 | 0.09 mg |
B12 | 0 μg |
葉酸 | 24 μg |
パントテン酸 | 0.28 mg |
ビオチン | 0 μg |
C | 0 mg |
脂肪酸 | |
飽和脂肪酸 | 1.39 g |
一価不飽和脂肪酸 | 0.47 g |
多価不飽和脂肪酸 | 2.17 g |
コレステロール | 0 mg |
食物繊維 | |
水溶性 | 5.2 g |
不溶性 | 10.3 g |
総量 | 15.5 g |
食塩相当量 | 0 g |
食品標準成分表 栄養素別、食品含有量 | |
アミノ酸含有量 食事摂取基準量 | |
文部科学省、科学技術・学術審議会資源調査分科会 日本食品標準成分表2010のデータより抜粋 出典URL : http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/houkoku/1298713.htm |
大麦、麦こがしの栄養素で摂取基準量に対して高い含有量のもの
※ 30~49歳の女性の目安量、推奨量を元に含有量の割合を出しています。
※ ビタミン類、ミネラル類のみの含有量から比率の高い栄養素をまとめています。
1位 | 食物繊維 |
2位 | ナイアシン |
3位 | マンガン |
4位 | 銅 |
5位 | 亜鉛 |
6位 | マグネシウム |
7位 | リン |
8位 | 鉄 |
9位 | カリウム |
10位 | 葉酸 |
ナイアシンとは?発見当初はビタミンB3と呼ばれたビタミンで、血行促進や冷え性改善に
ナイアシンは必須アミノ酸のトリプトファンからも作られる水溶性ビタミンで、ニコチン酸、ニコチンアミドとして存在しニコチンアミドからNDAが合成されますが、この補酵素は糖質、脂質、たんぱく質の代謝、エネルギー生産時に働く重要なビタミンです。
たんぱく質の代謝に必要なナイアシンは、他にも脂質の代謝やアルコールの代謝にも関わる働きを持ち、ナイアシンの欠乏症は体内合成されるためにほとんどないとされますが、ペラグラ、口内炎、舌炎、皮膚炎、めまいなどの治療にはナイアシンが使用されています。
ビタミンEの組み合わせがよく、血流が良くなる効果があると言われ、体内でもっとも多く存在する補酵素に合成されていく特徴や皮膚や神経を健康に保つ働きがあり、コレステロールや中性脂肪を分解する効能を持ちます。
ナイアシンは水溶性ビタミンなのでゆでる調理法よりは蒸すレシピのほうが栄養素の損失を減らせますが、アミノ酸のひとつであるトリプトファンからも合成されるので、トリプトファンの摂取で代用しナイアシンを合成させる方法もあります。
しそ、えのきたけ、バナナ、カツオ、マサバ、ぶり、いか、馬肉(さくら肉)、ラム肉、鶏ささみ、豚レバー、鶏むね、そば、レバー、牛もも肉、鶏肉、卵黄、たらこ、納豆などにアイアシンは豊富に含まれますので、これらの食品の摂取を心がけましょう。
マンガンはミネラルのひとつで、酵素の働きにとても重要
マンガンは体内には少量しか存在せず、その量は12~20mg程度と言われているミネラルで、マンガン含有酵素のスーパーオキシドジスムターゼの成分として抗酸化作用を発揮するミネラルです。
吸収率が少ないものの必要量も少ないので不足の心配は少ない栄養素で、肝臓、腎臓、膵臓、髪の毛にも多く含まれ骨の発育や代謝機能に関わる働きを持ちます。
マンガンは肌のターンオーバーにもかかわりをもち美容面でも重要なミネラルで、酵素の働きの活性化にも関わりますし性ホルモンの働きを円滑にする効果をもつミネラルで、生殖機能の向上効果ももつ栄養素です。
アマランサス、イタヤ貝、ずいき、くり、油揚げ、あおのり、しょうが、たくあん漬け、干し柿などの食べ物に多く含まれますし、カルシウムやマグネシウムなどを同様に骨の強化に役立つミネラルですので、骨の成長著しい成長期にはこれらの食品の摂取を心がけましょう。
銅とは?赤血球に関わり貧血対策に効果的
銅は赤血球の成長や体内の酵素の働きに関わり、骨の形成を助けるミネラルで、ほとんどが小腸で吸収されて肝臓で貯蔵されますし鉄の吸収を助ける働き血液中のトランスフェリンに受け渡す役割があります。
乳児の成長や骨の強化に重要な役割をもち、骨や血管の成長を助けたりセルロプラスミンと言う銅結合たんぱく質となって全身の各器官へ運ばれますし、活性酸素の消去する働きがあり老化防止や細胞の酸化を防ぐ働きがあります。
牛、豚、鶏レバー、イイダコ、シャコ、牡蠣、かに、海老、いか、アーモンドなどの食べ物に多く含まれており、貧血予防、免疫力向上、動脈硬化の予防、成長促進、髪や肌の健康を保つ効果をもつとされていますので、これらの食品からの鉄分の摂取を心がけましょう。
亜鉛の血中の老廃物の排出効果に注目
亜鉛は体内の幅広い臓器に存在し、骨格筋などの筋肉や骨、皮膚などの部位、肝臓、脳、腎臓などの臓器に存在するミネラルで、体内では合成できないので食べ物からの摂取が必要となるミネラルのひとつです。
糖代謝、アルコールの代謝など代謝に関わる働きをもち、100種類もの多くの酵素の働きに関与しますし、老廃物の排出や血行促進効果などがあります。
豚レバー、和牛肩肉、牡蠣、納豆などに多く含まれており、インスリンの合成や補酵素としても幅広く役立つ働きを持ち、全身の代謝機能が高まり活発に活性化される働きがあります。
亜鉛は汗に含まれて流出し発汗量に比例して不足がちになるため、大量の発汗時は必要量が高まりますので適切な摂取が必要ですし、味細胞に重要な役割を持ちますが、この味細胞は短期間で細胞が生まれ変わるので材料である亜鉛の必要量が高まります。
ビタミンAの代謝にも関わりビタミンAがもつ抗酸化作用の活性化に関わる働きももちます。
マグネシウムとは?ストレス時に必要量が上がり骨の成分でもある
カルシウムとマグネシウムのバランスは2対1以上が理想的とされており、骨の強化につなげるにはこのカルシウムとの摂取バランスが重要だとされています。
マグネシウム不足では狭心症、心筋梗塞、心疾患、神経過敏、筋肉の痙攣などの症状がでますので、不足しないように日々の食生活に注意が必要ですし、マグネシウムが不足すると骨から溶け出し血中濃度を保つために骨密度の低下などにつながります。
マグネシウムはカルシウムとカリウムの体内バランスを保つ役割も考えられますし、エネルギー生産、体温調節、神経伝達、筋肉収縮、ホルモン分泌に関わり細胞内に広く分布し、3分の2は骨に存在しています。
そば、豆腐、こんぶ、ひじき、ほうれん草、バナナ、アーモンド、玄米などに多く含まれていますし、野菜、穀物、種実など幅広く含有されているミネラルで、300種近い酵素反応に関わる重要な栄養素です。
大麦、麦こがしには他の栄養素も豊富に含まれる
大麦、麦こがしにはこれらの栄養素以外にもリン、鉄、カリウム、葉酸、などの栄養素が幅広く含まれますので、日頃の栄養バランスに役立てましょう。